「相見積もりで一番安かった会社に発注したら、半年後に再リニューアルが必要になった」——制作会社で10年以上、コーポレート/EC/キャンペーンサイトを 300件超 担当してきた立場で、もっとも残念に思う失敗パターンです。Web制作費は「相場早見表」だけ見て決めると、ほぼ確実に後悔します。重要なのは 「なぜその金額になるのか」を工数ベースで構造分解できる目 を、発注側が持つこと。
「Webサイト 制作費 相場」「ホームページ 制作費 相場」「Webサイト 見積もり 内訳」と検索する方が今いちばん知りたいのは、(1) サイト種別ごとの相場レンジ、(2) なぜその金額になるのかの根拠、(3) 安く見積もる会社と高く見積もる会社の差は何か、の3点だと現場の打ち合わせから感じます。早見表だけで判断すると外す理由を、制作費の 8〜9割を占める「人件費」 の構造から解きほぐします。
📚 このトピックの全体像は コーポレートサイト制作の費用相場と「失敗しない発注の組み立て方」 でまとめています。
Webサイト制作費のサイト種別×規模別「ざっくり相場」
最初に大枠の地図を示します。実際の見積もりは要件で大きく変動するため、あくまで起点として参照してください。
| サイト種別 | 規模 | 制作費レンジ | 工期 | 主な対象 |
|---|---|---|---|---|
| コーポレートサイト 小規模 | 〜20P | 50〜150万円 | 3〜4か月 | 個人事業主・スタートアップ |
| コーポレートサイト 中規模 | 20〜50P | 150〜500万円 | 4〜6か月 | 中小企業・地域中堅 |
| コーポレートサイト 大規模 | 100P以上 | 1,200万円〜 | 9〜18か月 | 上場企業・グローバル拠点 |
| ECサイト ASP活用 | — | 50〜200万円+月額 | 2〜4か月 | 個人事業主・小売 |
| ECサイト オリジナル開発 | — | 500〜3,000万円 | 6〜18か月 | 中堅以上小売・メーカー |
| ランディングページ(LP) | 1P | 20〜80万円 | 1〜2か月 | 単発キャンペーン |
| 採用サイト | 10〜30P | 100〜400万円 | 3〜5か月 | 通年採用を行う企業 |
| オウンドメディア | 〜50P+月次運用 | 初期 150〜400万円+月額 | 4〜6か月 | コンテンツマーケティング主軸の企業 |
出典: 私(Sato)が300案件超 担当してきた現場での平均的なレンジ/業界の公開情報を総合(2026年5月閲覧)。実際の見積もりは多言語対応・CMS・既存システム連携・撮影・コンテンツ量で大きく変動します。
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制作費の8〜9割は「人件費」——工数ベースの内訳
Webサイト制作費の正体は、ほぼ 人件費 です。私が見積もりを作る時の典型的な内訳を開示します。
工数構成の典型(中規模コーポレートサイトの場合)
| 工程 | 担当 | 投入工数の目安 | 役割 |
|---|---|---|---|
| ディレクション・進行管理 | ディレクター / PM | 全体の20〜25% | 要件定義・社内合意形成・進行・品質管理 |
| 情報設計・ワイヤーフレーム | ディレクター / UXデザイナー | 全体の10〜15% | サイトマップ・各画面の構造設計 |
| デザイン | デザイナー | 全体の20〜25% | TOP・下層・スマホ最適化のビジュアル設計 |
| コーディング・実装 | コーダー / フロントエンドエンジニア | 全体の25〜30% | HTML/CSS/JS・WordPress テーマ実装 |
| ライティング | ライター | 全体の5〜10% | ページ本文・キャッチコピー |
| テスト・公開作業 | ディレクター / QA | 全体の5% | クロスブラウザ・スマホ・フォーム動作確認 |
人月単価のレンジ(2026年5月時点)
制作会社の人月単価は、ロールによって次のようなレンジで動きます:
- ディレクター / PM: 60〜120万円/月
- デザイナー: 60〜100万円/月
- コーダー / フロントエンドエンジニア: 50〜100万円/月
- ライター: 30〜60万円/月
中小企業庁(chusho.meti.go.jp 2026年5月閲覧)の中小企業白書でも、IT・Web 関連職種の単価は地域・規模で大きく分散していることが示されています。「相場が分からない」のは、単価そのものが分散しているからです。
工数 × 単価 = 制作費
たとえば中規模コーポレートサイト(300万円規模)の典型的な工数試算:
- ディレクター: 0.7 人月 × 80万円 = 56万円
- 情報設計: 0.5 人月 × 70万円 = 35万円
- デザイナー: 1.0 人月 × 80万円 = 80万円
- コーダー: 1.2 人月 × 70万円 = 84万円
- ライター: 0.5 人月 × 50万円 = 25万円
- テスト・公開: 0.2 人月 × 60万円 = 12万円
小計 292万円 + 諸経費(外注ストック写真・サーバー初期費・ドメイン等)8万円 = 約300万円。
「相見積もりで100万円安い会社」があったら、上記のどの工数を削っているのかを確認するのが、発注側のリスク管理の中心です。
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「安く請け負う会社」と「高く見積もる会社」の差は何か
同じスペックのサイトでも、見積金額が2〜3倍になることは珍しくありません。差が生まれる構造を分解します。
差の原因1:ディレクターの人月単価と関与時間
「制作費が安い会社」のもっとも一般的な構造は、ディレクターの関与時間が極端に短い ことです。営業がヒアリングして、デザイナー+コーダーで制作し、ディレクターは進行管理だけ——というモデルだと、安く作れる代わりに「要件のズレ」と「公開後の品質」のリスクが上がります。
差の原因2:テンプレート活用度
WordPress の有料テーマ(SWELL・SnowMonkey・JIN 等)をベースにすると、コーディング工数を 30〜40% 圧縮 できます。SWELL のような国産テーマ(swell-theme.com 参照)は、ブロックエディタ最適化と運用性の高さで、中小企業のコーポレートサイトの選択肢として現場で広く使われています。
差の原因3:制作後の保守・運用契約
「制作費が安い代わりに、月額保守費が高い」「制作費は高い代わりに、公開後の伴走運用が含まれる」——どちらの構造かを契約段階で確認する必要があります。制作費+3年間の保守費 の総額で比較するのが現実的。
差の原因4:外注比率と社内体制
大手制作会社は社内に各ロールが揃っていますが、中小制作会社や個人ディレクターは、デザイン・コーディングを外注している場合が多い。外注比率が高い会社は マージン分の上乗せ がある代わりに、社内品質管理の負荷は低くなる。一長一短です。
差の原因5:撮影・コンテンツ制作の有無
「カメラマンによる撮影」「ライターによる長文記事制作」「動画制作」が含まれるかどうかで、見積もりは50〜200万円単位で変わります。「撮影込みの見積もり」と「素材は支給」の見積もり は同じ土俵で比較できません。
ECサイトの制作費の構造(コーポレートとは違う論理)
ECサイトはコーポレートサイトと制作費の論理がかなり違うので、別途整理します。
ASP型(Shopify / makeshop / カラーミーショップ等)
初期制作費 50〜200万円+月額 1万〜10万円。テンプレートとカスタマイズで構築するため、立ち上げが早い(2〜4か月)。決済手数料 3.2〜4% が継続発生するので、月商が大きくなるほど ASP のコストは相対的に重くなります。
パッケージ型(ecbeing / EC-CUBE 商用版 等)
初期 500〜2,000万円+月額 5〜30万円。中堅以上の小売・メーカーが選択。在庫管理・会員管理・基幹システム連携がパッケージで提供されるため、自前開発より早く構築できます。
フルスクラッチ型
1,000〜3,000万円〜+運用保守。大規模ECや独自の業務フローを持つ企業が選択。完全カスタマイズの代わりに、保守と機能拡張のコストも継続的に発生します。
ECサイトの選び方は「月商規模」で逆算する
月商 100万円未満 → ASP(Shopify・カラーミーショップ等)が現実解。 月商 100〜1,000万円 → ASP の上位プラン or makeshop 等の中堅パッケージ。 月商 1,000万円超 → ecbeing・EC-CUBE 商用版・フルスクラッチを比較検討。
見積もり比較時に必ず確認する10項目
複数の制作会社から相見積もりを取ったとき、金額だけで比較すると失敗します。次の10項目を必ず確認してください。
- 担当ディレクターの実名と過去の担当案件(営業が見せる実績ではなく、担当者本人の経験)
- 工数の内訳が人月で明示されているか(一式表記の見積もりは要注意)
- デザイン・コーディング・ライティングの分担(外注比率の確認)
- CMSの選定理由(WordPress・テーマ採用・フルスクラッチの根拠)
- 公開後の保守・運用費用(月額・含まれる作業範囲)
- 追加修正のルール(修正回数・追加費用の発生条件)
- 画像・テキスト素材の支給範囲(撮影・ライティングは見積もりに含むか)
- 表示速度・アクセシビリティの保証水準(PageSpeed Insights のスコアを契約に明記)
- 301リダイレクト・SEO引き継ぎの責任範囲(既存サイトのリニューアル時は必須)
- 支払い条件(着手金 / 中間金 / 検収後の比率)
発注側が「予算」を組み立てる時のフレーム
「いくらかけるべきか」を逆算するフレームを共有します。
ステップ1:サイトの役割を1つに絞る
リード獲得・採用応募・IR・ブランド認知——役割によって必要な機能と工数が変わります。
ステップ2:KPI 目標を数値化する
「月100件の問い合わせ」「月50件の採用応募」など、事業数値に紐づくKPIを設定。
ステップ3:KPIから逆算した制作費の上限を決める
KPIが3年間で生み出す利益を試算し、その20〜30%以内に制作費を収めるのが現実的な発注ライン。商談化単価 × 商談数 × 受注率 × 客単価で簡易シミュレーションを組みます。
ステップ4:制作費とは別に「公開後の改善予算」を確保する
制作費の20〜30%を、公開後の改善ループに割く。これを最初から組まないと、リニューアルが「打ち上げ花火」で終わります。
ステップ5:サーバー・ドメイン・SSL・運用工数も総コストに含める
制作費だけを見ると、公開後のランニングコストを見落とします。レンタルサーバー(年1〜5万円)、ドメイン(年1,500〜5,000円)、SSL証明書(無料 Let’s Encrypt or 年1〜5万円の有料)、社内運用工数(月20〜40時間)も総コストに含めて意思決定する。サーバー選びは レンタルサーバー比較ノート で別途整理しています。
Webサイト制作費に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 個人事業主が10万円台で作れますか? A. WordPress の有料テーマ(SWELL 等)を自分で構築するなら可能です。制作会社に依頼する場合は、最小規模でも50万円〜が現実的なライン。10万円台で制作会社に発注すると、ディレクターの関与がほぼないため要件のズレが起きやすいです。
Q2. クラウドソーシング(ランサーズ・クラウドワークス)で発注しても良いですか? A. LP 1本・小規模サイトなどは選択肢になります。中規模以上のコーポレートサイトでは、進行管理と品質管理の責任所在が不明瞭になりやすく、リスクが高い印象です。
Q3. 補助金・助成金を使えますか? A. 中小企業庁の IT 導入補助金、自治体のホームページ制作補助金など、活用できる制度があります(chusho.meti.go.jp 2026年5月閲覧)。要件・募集時期・補助率は時期によって変動するため、最新の公募要領を必ず確認してください。
Q4. 「相場」と聞いてもピンと来ません。何を基準に決めればよいですか? A. 「相場」ではなく「投資回収」で決めます。サイトが3年間で生み出す利益を試算し、その20〜30%以内に制作費を収めるのが現実的な発注ライン。「いくらかかるか」より「いくらまで投資できるか」を先に決めてください。
Q5. 制作費を抑えるコツはありますか? A. (1) WordPress の有料テーマを活用する、(2) 撮影は自社で撮る or ストックフォトを使う、(3) ライティングは社内で書き、制作会社にはディレクションと校正だけ依頼する、(4) フォーム・予約系はGoogleフォーム等で代替する、の4点が王道です。
Q6. 公開後の月額費用はどれくらいかかりますか? A. レンタルサーバー(年1〜5万円)、ドメイン(年1,500〜5,000円)、保守契約(月1万〜10万円)が標準的な内訳。これに加えて、コンテンツ追加・改善施策を行う場合は月数万円〜数十万円の運用予算が必要です。
Q7. 安いほど良くないですか? A. 制作費だけ見ると安いほうが良く見えますが、「安く請け負った結果、半年で再リニューアル」 が現場でもっとも多い失敗パターンです。3年間の総コスト(制作+運用+必要に応じた改修)で評価するのが現実的。
まとめ:「相場」ではなく「投資回収」で判断する
本記事は、私(Sato Daisuke)が制作会社で10年以上・コーポレート/EC/キャンペーンサイトを300件超 担当してきた現場経験と、以下の公的・準公的情報源を突き合わせた整理です:
- 中小企業庁(chusho.meti.go.jp)
- 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(mhlw.go.jp)
- 情報処理推進機構(IPA)「DX白書 2025」(ipa.go.jp)
- SWELL 公式(swell-theme.com)
Web制作費の8〜9割は人件費で構成され、その中身を「工数 × 単価」に分解できると、見積書の数字が解釈可能になります。「相場」だけ見て発注先を選ぶと、安く請け負った会社の関与時間の薄さによる失敗、または高額発注での過剰投資のどちらかに振れがちです。
300案件超 担当してきて分かったのは、「発注側がディレクターの関与時間と人月単価を読めるかどうか」 で、リニューアル成否の半分が決まるということです。投資回収から逆算した予算ラインを先に決めて、その範囲内で工数構成を比較する。これが現場感覚での王道です。
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【ご注意】
本記事は、私(Sato Daisuke)が制作会社で10年以上 Web 制作・ディレクションに携わってきた現場経験と、中小企業庁・厚生労働省・情報処理推進機構(IPA)の公開情報、および各CMS / テーマ公式の公開情報を突き合わせ
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よくある質問(FAQ)
Q1. Web制作・コーポレートサイトの相場はいくらですか?
A. 中小企業向けの一般的なコーポレートサイトで30〜150万円のレンジが現実線です。ページ数・撮影・コンテンツ制作の有無で大きく動きます。中小企業庁「IT導入補助金」の対象範囲も参考になります(補助金活用で実質負担を圧縮可能)。
Q2. LP(ランディングページ)の制作費用相場は?
A. デザイン+実装で15〜40万円が中央値、CV+180%改善案件のような戦略立案+A/Bテストまで含めれば60〜120万円のレンジまで上がります。発注時は「ワイヤーフレームのみ/デザインのみ/実装込み」の3段階で見積もりを取るのが現実的です。
Q3. WordPress構築は自前と外注どちらがいい?
A. サイト規模と更新頻度で決まります。月1回未満の更新なら外注、週1回以上の運用更新があるなら社内学習投資のほうが長期で安価です。300案件のディレクター経験では、運用フェーズの工数を見落とすケースが圧倒的に多い印象です。
Q4. Webディレクターの仕事内容は?
A. 要件定義・進行管理・品質管理が三本柱で、加えてクライアント折衝・チーム調整が日常です。経産省 DX推進ガイドラインでも「プロジェクト推進」が必須役割と明記されており、現役PMの1日業務もここに収束します。
Q5. 制作会社とフリーランス、どちらに発注すべき?
A. 案件規模で判断します。10〜30万円のLPはフリーランス、50万円以上のコーポレートサイトはチーム体制を持つ制作会社が現実線。IPA「DX白書」も「外部リソースは規模と専門性で選別」と提示しています。
WordPressは世界のWebサイトの43%以上(W3Techs調査)で使用されているCMSであり、Web制作の基礎スキルとして習得する価値があります。プラグインのエコシステムと豊富なテーマにより、コーディングの知識がなくてもプロフェッショナルなサイトを構築できます。

