ホームページ保守費用の相場|制作会社ディレクター10年で見た運用コストの内訳と発注書の組み方

ホームページ保守費用の相場は月5,000円〜20万円超と幅広く、相場だけで決めるのは危険です。月額費の中身を6カテゴリに分解し、揉めやすい発注書の必須9項目、保守を同梱するか切り出すかの判断軸、費用を下げる3つの打ち手を整理します。

この記事でわかること

  • ホームページ保守費用の規模別の相場レンジ(月5,000円〜20万円超)と、相場だけで決めてはいけない理由
  • 月額保守費の中身を分解した6カテゴリの内訳(ドメイン管理/CMS更新/バックアップ/軽微修正/障害対応/レポート)
  • トラブルを未然に防ぐ発注書の必須9項目と、揉めやすい「引き渡し条件」の書き方
  • 保守を制作会社に同梱するか・別会社に切り出すか・社内で巻き取るかの判断軸
  • 保守費を下げる3つの現実的な打ち手(値引き交渉に頼らない)

公的情報源: 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)「DX白書」(参照)/IPA 脆弱性関連情報(参照)/厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(参照)/ウェブアクセシビリティ基盤委員会(WAIC)(参照)(いずれも2026年5月閲覧)

保守を社内で巻き取るなら、まず土台になるサーバー選びから。長期運用での安定性とコストは、ここでほぼ決まります。

結論を先に書きます

ホームページ保守費用の相場は、コーポレートサイトで月5,000円〜30,000円が中心レンジです。ここにCMSアップデート・コンテンツ更新・障害対応を別立てで持つかどうかで、合計が大きく動きます。

重要なのは、相場だけで決めないことです。「安いのに割高」「高いのに割安」が同居する領域なので、判断軸は「自社のサイトが止まったら、いくら失うか」からの逆算に置くのが安全です。保守費を惜しんで止まったサイトの復旧費は、半年〜1年分の保守費を超えることが珍しくありません。

この記事の要点
  • 相場は規模で月5,000円〜20万円超。中身(6カテゴリ)が違えば同じ金額でも価値が変わる
  • トラブルの有無は、ほぼ発注書に書かれた項目数の差に一致する
  • 制作と保守を同じ会社で持つと、改善の検証サイクルが速い
  • 保守費を下げる本筋は値引きでなく、更新頻度・プラグイン数・CMS構成の見直し

新規制作の見積もりは比較サイトでも相場が出ますが、保守費は会社ごとに内訳がバラバラで相場が見えにくい領域です。この記事では、数百件規模の保守契約の中身を構造分解し、相場・内訳・発注書の組み方まで一気通貫で整理します。

目次

ホームページ保守費用の相場レンジ(規模別)

結論から言うと、保守費はサイト規模で月5,000円〜20万円超まで開きます。下表は制作現場での中心レンジで、業界全体の平均値ではありません。

サイト規模月額保守費の中心レンジ含まれる範囲(典型)
個人事業主・小規模コーポレート(10〜20ページ)5,000〜15,000円ドメイン・サーバー更新確認/簡易バックアップ/軽微なテキスト修正 月1〜2件
中規模コーポレート(30〜80ページ)15,000〜40,000円CMSアップデート/月次バックアップ/簡易な画像差し替え/簡易障害対応
EC・予約・会員制(要件複雑)50,000〜200,000円セキュリティパッチ/決済まわり監視/障害一次対応/月次レポート
大規模サイト・公共性のあるサイト200,000円〜SLA/監視/脆弱性検査/更新作業/インシデント対応/月次定例

保守費は「制作費の何%」より「止まったときの機会損失」から逆算する方が、判断がぶれません。

IPA「DX白書」によれば、企業のIT投資のうち運用・保守の比率は依然として大きく、新規開発との費用配分は業種・規模で異なります(2026年5月閲覧)。同じ月額でも、サイトが止まったときの損失額が大きい事業ほど、保守の「厚み」に投じる合理性が高くなります。

保守費の内訳:何にいくら払っているのか

月額固定で見えていても、保守費は内部的に次の6カテゴリの組み合わせです。発注書に盛り込まれる項目も、おおむねこの6つに集約されます。

  1. ドメイン・サーバー・SSLの更新管理
  2. CMSアップデート・脆弱性対応
  3. バックアップ取得と復旧手順
  4. 軽微な修正(テキスト・画像・お知らせ)
  5. 障害対応・問い合わせ窓口
  6. アクセス解析・月次レポート

1. ドメイン・サーバー・SSLの更新管理

もっとも基礎的でありながら、忘れると一発でサイトが止まる項目です。ドメイン失効で落ちる事故は、原因のほとんどが「支払いカードの期限切れ」という単純なものになります。

保守契約に「ドメイン・サーバー・SSLの有効期限を毎月確認し、3ヶ月前に通知する」と明記してあれば、この事故はほぼ予防できます。

2. CMSアップデート・脆弱性対応

WordPress を例にすると、コア・テーマ・プラグインのアップデートが月複数回発生します。「自動更新ONにすれば無料」は半分正解で半分危険です。自動更新が原因で表示が崩れる・動かなくなるトラブルは珍しくありません。

CMSアップデートは「いつ・誰が・何を・どの順で」やるかを発注書で決めておくべき項目です。

IPA 脆弱性関連情報では、CMS の脆弱性が継続的に公表されています。放置すると改ざん・情報漏えいのリスクがあり、中小企業向けには「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」も公開されています(2026年5月閲覧)。運用保守の前提として参照価値があります。

WordPressのセキュリティ面を体系的に固めたい方は、姉妹記事「WordPressセキュリティ対策|多層防御の優先順位フレーム」もあわせてご確認ください。

3. バックアップ取得と復旧手順

契約文面で一番ごまかされやすいのが「バックアップを取得する」だけの一文です。本当に重要なのは、次の4点になります。

  • どこに保存するか(同一サーバー内か、外部か)
  • どの頻度で取得するか
  • 何世代を保持するか
  • 復旧テストをいつ実施したか

復旧テストまで実施しているサイトは少数派です。テストしていないバックアップは、ないのと同じになることがあります。

4. 軽微な修正(テキスト・画像・お知らせ)

月額に含まれる「軽微な修正」の定義は、業者ごとに大きくぶれます。「30分以内」「テキスト修正のみ」「画像差し替えは別途」など、線引きが分かれます。

発注書に「何分以内・何件まで・どのタイプまでが月額内か」を明記しないと、後日「これは追加費用です」のすれ違いが起きやすくなります。

5. 障害対応・問い合わせ窓口

「サイトが落ちました」の連絡を受けてから一次返信までの時間は、業者によって24時間以内〜営業日3日まで幅があります。中小コーポレートで月5,000円の保守だと、平日10時〜18時のメール返信のみというケースがほとんどです。

EC・予約系など売上に直結するサイトは、平日24時間ではなく365日24時間のSLAを別契約で取るのが現実的でしょう。

6. アクセス解析・月次レポート

月額3万円以上の保守だと、月次レポートが付くケースが増えます。レポートに金額を払うなら、月次ミーティングをセットにして「読まれる仕組み」まで含めて契約するのが費用対効果は高くなります。

保守を「制作とセット」にするか「切り離す」かの判断軸

制作した会社にそのまま保守も任せるか、別会社に切り出すか、社内で巻き取るか。現場で見られる現実的な落としどころは「制作した会社に最低6ヶ月は保守を頼み、12ヶ月後に見直す」というものです。判断軸は次の3つに集約されます。

制作会社に同梱したほうがよい
  • トラブル時の責任の所在を一本化したい:制作会社が保守も持つと、不具合の原因切り分けが速い
  • 更新頻度が高い(月数回以上):社内に巻き取れる人材がいないなら外注の方が安いことが多い
  • セキュリティ要件が高い:EC・予約・会員制・公的情報を扱うサイトはCMS更新を止められない

切り離し・社内巻き取りも検討できる
  • 更新が半年に1回程度:社内+スポット発注で十分まかなえる
  • 社内に運用担当を置ける:人件費と外注費を比較して安いほうを選べる
  • 定型的な静的サイト:CMSを使わない構成なら保守難易度が下がる

制作と保守を同じ会社で持つと、運用中に出てきた改善仮説を即座に反映できる利点があります。改善のたびに別会社へ発注書を回していると、検証サイクルは大きく落ちます。CV改善を狙う運用フェーズでは、この「速さ」が効いてきます。

発注書に必ず盛り込むべき9項目

トラブルが発生した契約と発生しなかった契約の差を取り出すと、ほぼ発注書に書かれていた項目数の差に一致します。月額3万円のサイトでも、次の9項目を書いておけば、ほとんどのトラブルは予防できます。

  1. 契約期間と更新方法(自動更新か申告制か)
  2. 月額に含まれる作業時間・作業件数(例:軽微修正 月60分まで、画像差し替え 月3件まで)
  3. CMS・テーマ・プラグインのアップデート頻度(月次/随時/緊急パッチのみ)
  4. バックアップの取得頻度・保存先・世代数・復旧手順
  5. 障害対応の一次返信時間と対応時間帯(平日10〜18時/土日対応/24時間)
  6. 脆弱性パッチの適用ルール(公表後 何日以内に検証して当てるか)
  7. レポートの提出有無と内容(月次/四半期/年次・PV/CV/検索表示)
  8. 作業範囲外の見積もり手順と単価(時間単価・最低発注金額)
  9. 契約終了時のデータ・ドメイン・サーバーアカウントの引き渡し条件

とくに最後の「引き渡し条件」は、保守を切り替えるときに揉める典型です。発注時点で「契約終了時はサイトに関するすべての権利・データ・アカウントを発注者に引き渡す」と明記するだけで、12ヶ月後・24ヶ月後の選択肢が確保できます。

保守を社内で巻き取るときに必要な構成と費用

保守を社内で巻き取りたい場合、最低限そろえる構成と月額試算を整理します。社内巻き取りが成功した会社の共通点は「担当を1人決め、引き継ぎドキュメントを残していた」ことです。

サーバー・テーマ・担当者の時間の3点で考える

構成要素月額の目安巻き取り時の注意点
レンタルサーバー(共用)900〜2,000円アクセス数次第でWordPress特化型・高速型を検討
WordPress有料テーマ買い切り中心アップデート継続性が保守難易度を左右する
担当者の時間人件費換算月3時間でも人件費を足すと外注より割高になることがある

サーバー選定の比較軸は、姉妹メディアの「レンタルサーバー比較おすすめ|用途別マトリクスと5年TCO」に詳しいので、あわせてご確認ください。長期運用での安定性とコストは、土台のサーバーでほぼ決まります。

長期運用するコーポレートサイトの保守コストを抑えやすいのは、安定性と速度のバランスが取れたサーバーです。エックスサーバーは無料お試しで実環境を確認できます。

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コスト重視で別の選択肢も比較したい場合は、mixhost のような高速・低価格帯のサーバーも候補に入ります。料金は時期で変わるため、申込前に公式の最新情報を確認してください。

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テーマ選びが保守費に直結する

有料テーマを使うかどうかは保守費に直結します。アップデートが継続的でGutenberg対応が安定しているテーマなら、長期運用での保守難易度が下がります。逆にテーマがアップデートを止めると、保守の難易度は一気に上がります。

SWELL は買い切り型で、長期運用するコーポレートサイトの保守コストを抑えやすいテーマです。評価軸の詳細は「WordPressテーマ SWELL の評判|コスパと向き不向き」で整理しています。

担当者の時間というコスト

社内巻き取りで一番見落とされるのが、担当者の時間です。月15,000円の保守を巻き取って担当者の月3時間を使うなら、人件費換算で実質コストはむしろ上がることがあります。

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」最新版で職種別の時間単価を見ると、社内人件費の感覚値を確認しやすくなります(2026年5月閲覧)。

保守費を下げる3つの方法

保守費を下げたい場合、現場で有効とされる打ち手は次の3つです。値引き交渉は最終手段で、それ以外の選択肢を先に検討すべきです。

  1. 更新頻度を見直す:月8件のお知らせ更新が必要なサイトと、年4回しか更新しないサイトでは保守費が違って当然。月額に含まれる作業件数を実態に合わせて契約し直す
  2. プラグインを減らす:WordPress のプラグインを20個から10個に絞ると、アップデート工数とトラブル確率が下がる。保守料金の根拠も下がるので見直しの理由になる
  3. CMSを軽くする:コーポレートサイトの大半は、WordPress でなくても良い設計の場合がある。静的サイトジェネレーター移行で保守費が半額以下になった事例もある

アクセシビリティと保守の関係

保守費の議論で抜け落ちがちなのが、アクセシビリティの維持です。アクセシビリティ仕様(WAI / WCAG)は継続的に更新されており、サイトが古くなると知らないうちに最新ガイドラインから乖離します。

ウェブアクセシビリティ基盤委員会(WAIC)も日本語の解説・最新動向を発信しており、コーポレートサイトの長期運用では参照価値があります(2026年5月閲覧)。

アクセシビリティのチェックは、月次の保守作業に「年1回の通しチェック」を組み込むだけで品質が落ちにくくなります。払う側には「予防」、受ける側には「説明可能性」の両面で意味があります。

まとめ:保守費の相場を「自社にとっての適正値」に翻訳する

ホームページ保守費用の相場は規模で月5,000円〜20万円超の幅があり、相場だけでは判断できません。最後に要点を整理します。

この記事のまとめ
  • 相場は規模別で月5,000円〜20万円超。同じ金額でも「6カテゴリの中身」で価値が変わる
  • 判断軸は「制作費の何%」でなく「止まったときの機会損失」からの逆算
  • トラブルの有無は、ほぼ発注書の項目数の差。9項目を書けば大半は予防できる
  • 制作と保守を同じ会社で持つと改善の検証サイクルが速い。更新頻度・セキュリティ要件で判断する
  • 保守費を下げる本筋は値引きでなく、更新頻度・プラグイン数・CMS構成の見直し

6カテゴリの内訳と9項目の発注書を使って、「自社にとって、サイトが止まることでいくら失うか」から逆算した適正値を出すのが、後で揉めない道筋です。

発注時の話は「Webサイトの制作費はなぜこの金額になるのか|工数ベースで構造分解」「コーポレートサイト制作の費用相場と失敗しない発注の組み立て方」で、リニューアル時の話は「コーポレートサイトのリニューアルの進め方」で扱っています。発注→リニューアル→保守、と続けて読むと、Webサイトの一生分のコストが見えてきます。

よくある質問

Q1. ホームページの保守費用の相場はいくらですか?

A. 小規模コーポレートで月5,000〜15,000円、中規模で15,000〜40,000円、EC・予約・会員制では50,000〜200,000円が中心レンジです。CMSアップデート・コンテンツ更新・障害対応をどこまで含めるかで、合計額が大きく変わります。

Q2. 保守費用に含まれる作業の内訳は?

A. 大きく6カテゴリです。ドメイン・サーバー・SSLの更新管理/CMSアップデート・脆弱性対応/バックアップ取得と復旧/軽微な修正/障害対応・問い合わせ窓口/アクセス解析・月次レポート。月額固定でも内部はこの6つの組み合わせになっています。

Q3. 保守は制作会社と別の会社に頼んでもいいですか?

A. 構いません。ただしトラブル時の原因切り分けは、制作と保守を同じ会社が持っているほうが速くなります。更新頻度が低く社内に運用担当を置けるなら切り離しも現実的ですが、EC・予約・会員制などセキュリティ要件が高いサイトは切り離さない方が安全です。

Q4. 保守契約の発注書で最低限おさえる項目は?

A. 契約期間・含まれる作業量・CMS更新頻度・バックアップ仕様・障害対応時間・脆弱性パッチ適用ルール・レポート・範囲外の単価・契約終了時の引き渡し条件の9項目です。とくに「引き渡し条件」を明記しておくと、保守の切り替え時に揉めにくくなります。

Q5. 保守費用を安くする方法はありますか?

A. 値引き交渉の前に、更新頻度の見直し・プラグイン数の削減・CMS構成の軽量化を検討するのが本筋です。月額に含まれる作業件数を実態に合わせ、不要なプラグインを整理するだけでも、保守料金の根拠を下げられます。

※本記事はWeb制作・運用の公開情報と制作現場での所感をもとにした整理です。料金・サービス内容・各種仕様は変更される場合があるため、最終的な契約判断は各公式サイトの最新情報および公的機関の情報をご確認のうえご判断ください。

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この記事を書いた人

大学卒業後、Web制作会社に入社し、コーポレートサイトやECサイト、キャンペーンサイトなど幅広い案件を担当。企画・設計からデザインディレクション、進行管理、納品後の運用改善までトータルで携わる。クライアントの課題整理から戦略立案まで踏み込む提案力と、円滑なチームマネジメントに定評がある。

・Webサイト構築の企画・情報設計
・UI/UX改善提案
・制作進行管理・品質管理
・マーケティング視点での運用改善

Webサイトは“つくって終わり”ではなく、運用しながら成果を伸ばしていくものだと考えています。お客様のビジネスとユーザーの両方にとって価値のあるWebサイトを、戦略から実装まで全力でサポートいたします。

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