LP制作費用の相場は用途と運用前提で5〜15万円から200万円超まで5レンジに分かれます。同じLP1本で価格が10倍違う理由を戦略設計・オリジナル要素・計測改善の3軸で分解し、発注先4種の費用感と向き不向きを整理します。
この記事でわかること
- LP制作費用の相場帯を5レンジ(5〜15万円〜200万円超)で整理。用途・運用前提でどこを選ぶか
- 同じLP1本で価格が10倍違う理由を「戦略設計・オリジナル要素・計測改善」の3軸で構造分解
- 発注先4種(クラウドソーシング/フリーランス/制作会社/代理店)の費用感と向き不向き
- 相場の上限・下限を外したときに起きる典型的な発注事故と回避策
- 費用より成果を左右するLP設計の要点と、発注前に自社で押さえる3つの準備
公的情報源: 経済産業省「電子商取引実態調査」(参照)/厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(参照)/中小企業庁「中小企業実態基本調査」(参照)
費用の前に「そもそもLPとは何か・どう設計するか」を押さえたい方へ。
基礎は ランディングページとは?目的・構成・作り方 で整理しています。
結論を先に書きます
LP制作費用は、5〜15万円から200万円超まで10倍以上の幅があります。理由は「相場」という単一の物差しが存在しないから。同じ「LP1本」でも、戦略設計をどこまで含めるか・オリジナル要素をどれだけ入れるか・公開後の計測改善を前提にするかで、価格が段階的に積み上がります。
そして費用以上に成果を左右するのは、作ったあとに「測って改善する」設計があるかどうかです。広告流入を成果まで運ぶアセットだからこそ、相場で測るより運用設計で測るほうが現実的になります。
- 相場帯は5レンジ・5〜15万円〜200万円超。用途と運用前提で適正帯が決まる
- 同じLP1本でも価格は10倍差。戦略設計・オリジナル要素・計測改善の3軸で構造化される
- 発注先は4種類。事業フェーズ・月間広告費・LPの位置づけで選ぶ
- 作って終わりは事故。運用予算は制作費の0.5〜2倍が回収の目安
LP制作費用の相場帯を5レンジで整理する
まず市場に出回っている価格帯を5レンジで整理します。下のレンジ表は、見積もり・受託・相見積もりで突き合わせてきた現場の感覚値です。あくまで目安として、自社の用途と照らし合わせてください。
| レンジ | 費用帯 | 内容 | 向く案件 |
|---|---|---|---|
| ① テンプレ流用型 | 5〜15万円 | 既存テンプレに流し込み・修正1〜2回 | 1本目LP・告知・イベント募集 |
| ② オリジナルデザイン型 | 15〜40万円 | ヒアリング〜オリジナル設計・修正3〜5回 | 本格的に売り出す最初のLP |
| ③ 戦略設計込み型 | 40〜80万円 | 競合分析・KPI設計・撮影内包 | 主力商品LP(投資対効果が安定) |
| ④ CV最適化込み型 | 80〜200万円 | 広告設計・ABテスト・複数バリエーション | 月額広告費100万円以上の運用前提 |
| ⑤ 大型ブランドサイト型 | 200万円〜 | 撮影・動画・多言語化 | 大手・ブランドリニューアル |
各レンジの中身を、もう少しだけ補足します。
レンジ①②:個人〜小規模事業者の現実線
レンジ①はペライチ・STUDIO・Canvaなどのテンプレートにテキストと写真を流し込む構成。納期1〜2週間が標準で、フリーランス・副業デザイナーへの発注が中心です。
レンジ②はヒアリングから構成案・オリジナルデザイン・コーディングまで一通り。ファーストビューだけはオリジナル設計、というケースが多い帯です。自社製品を本格的に売り出す最初の1本なら、ここが現実的なスタートライン。
レンジ③〜⑤:成果と運用を組み込む帯
レンジ③は競合分析・ペルソナ定義・カスタマージャーニー・KPI設計まで含む帯。投資対効果が安定しやすいラインです。
レンジ④は広告クリエイティブ設計・ヒートマップ計測・ABテストを前提にした複数バリエーション制作を組み込みます。運用フェーズへの移行が前提。レンジ⑤はブランド指針・撮影・動画・多言語化まで含む大手領域です。
同じLP1本でも価格が10倍違う「3つの分解軸」
レンジ表だけでは「なぜ同じLP1本で10倍の差が出るのか」が腑に落ちにくいはずです。価格差は、おもに3つの軸で構造化されます。
- 戦略設計の有無(最大3倍の差)
- オリジナル要素の比率(最大3倍の差)
- 計測・改善フェーズの組み込み(最大4倍の差)
軸① 戦略設計の有無
「言われたものを作る」LPと「売れる構造を設計してから作る」LPでは、企画工数が3倍ほど違います。前者は構成案を発注側が支給するため、制作側の工数はデザインとコーディングのみ。後者はヒアリング・競合分析・ペルソナ定義・カスタマージャーニー設計に40〜80時間かかります。
ディレクター・PMの単価を時給1万円前後とすると(厚生労働省「賃金構造基本統計調査」の情報処理・通信技術者のレンジから推計)、40〜80時間の上乗せはそのまま40〜80万円の見積差に直結します。
軸② オリジナル要素の比率
写真・イラスト・動画をストック素材で組むか、撮影・イラスト依頼・動画制作を発注するかで、外注費が10〜100万円の幅で動きます。
特に撮影は1日10〜30万円・モデル起用は半日5〜30万円が相場帯。ファーストビューに人物写真を入れるかどうかが、最終見積を大きく左右します。ブランド表現の質がCV率に与える影響は継続的に注目されています(経済産業省「電子商取引実態調査」)。
軸③ 計測・改善フェーズの組み込み
「公開して終わり」のLPと、「公開後3〜6ヶ月のABテスト・ヒートマップ計測を前提に作る」LPでは、制作フェーズの設計から違います。
後者は最初から、ファーストビューを3〜5パターン用意・CTAボタンの文言とカラーをABテストで検証・スクロール深度の計測を入れたコーディングで組み立てます。工数は1.5〜2倍、運用費を含めると4倍程度の規模感です。
作って終わりより、測って改善するほうが結果的に売上を伸ばす。これは現場での実感とも一致します。具体的な改善手順は コンバージョン率(CVR)改善方法 で整理しています。
発注先別の「費用感×向き不向き」マップ
LP制作の発注先は大きく4種類です。費用帯と向き不向きを並べます。
| 発注先 | 費用帯 | 向く案件 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| クラウドソーシング | 3〜15万円 | テンプレ流用・最小構成 | 品質ばらつき大・修正遅延リスク |
| フリーランス(個人) | 10〜80万円 | オリジナル設計込・小〜中規模 | スキル差大・継続運用が体制依存 |
| 小規模制作会社(3〜10名) | 30〜150万円 | 戦略設計込・中規模主力商品 | 担当者依存・繁忙期は納期延びがち |
| 中堅制作会社(10〜50名) | 80〜500万円 | CV最適化込・大型キャンペーン | 単発LPだけだと割高 |
| 総合代理店・大手 | 300万円〜 | ブランド毀損リスク有・大型 | 個別LPには過剰な体制 |
出典: 中小企業庁「中小企業実態基本調査」と現場の見積データをもとに整理。
選ぶときの軸はシンプルです。「自社の事業フェーズ × 月間広告費 × LPの位置づけ」の3軸で発注先を決めると、過不足が起きにくくなります。発注全体の判断軸は ホームページは自分で作るか、制作会社に頼むか でも整理しています。
相場の上限・下限を外すと起きる典型的な事故
価格レンジを外して発注すると、上下それぞれで典型的な事故が起きます。
上限を超えた発注:高額LPが数ヶ月で放置される
中堅制作会社に高額でLPを発注し、戦略設計・撮影・コーディング・ABテストまで一式で受託。公開時はCV率の高い優秀なLPでも、運用予算が組まれていないと、数ヶ月後には広告流入が枯れてフェードアウトします。
LPは作って終わりではありません。公開後の運用予算(毎月の広告費・改善工数)が制作費の0.5〜2倍あって、はじめて投資が回収される構造です。
下限を割った発注:安すぎて修正地獄になる
クラウドソーシングで極端に安く・修正無制限の条件で発注すると、修正の往復が続いた末に受託者と連絡が取れなくなり、結局は別の制作会社に作り直しを依頼——というケースもあります。
価格を絞りすぎると修正回数の上限が暗黙のうちに崩壊し、結果的に総コストが2〜3倍になりがちです。費用の構造を理解しておきたい方は Webサイトの制作費はなぜこの金額になるのか もあわせてどうぞ。
CV改善案件で実際に効いた「単価より大事な3つの設計」
費用の話だけでは表面的になります。CV率を大きく改善した案件で実際に効いた設計は、価格よりも成果を左右しました。
ペルソナを「1人の実在の顧客」まで絞り込む
「30代女性・都内在住・年収500万円」のような曖昧なペルソナではなく、既存顧客へのインタビューから抽出した1人の具体的な顧客像をベースに設計します。この絞り込みだけで、キャッチコピー・写真選定・CTA文言が一気に明確になります。
ファーストビューに「読者の悩み」を3秒で映す
LPの離脱の多くはファーストビューで起きます。ファーストビューを「商品名+特徴」から「読者が今抱えている問題」に書き換えるだけで、スクロール率が大きく改善した事例があります。デザインの基礎は LPデザインとは?高成約率を出す作り方 で扱っています。
CTAボタンをテストする前提で設計する
CTAボタンの文言・色・配置・サイズを、最初からABテスト前提で複数パターン用意しておく。公開後に回せる運用体制を組むことで、CV率は段階的に伸びていきます。コントラスト比・タップ領域の最適化も同時に効きます。
LP制作を発注する前に自前で押さえる3つの準備
発注側で見積前に押さえておくと、費用が下がる準備が3つあります。
- 既存顧客5人へのインタビュー(自社で実施):ペルソナ整理の精度はここから出る。外注すると工数20万円相当でも、自社なら数日で済む
- 競合LP10本のスクリーンショット保存:発注時に提示すればリサーチ工数が10〜20時間削れ、見積が5〜10万円下がる
- 計測ツールの事前設定(GA4・Search Console・タグマネージャー):未整備だと公開後に「計測できない問題」で再見積もりが発生する
逆に、これらを丸ごと外注に任せると割高になります。自社の手を動かせる範囲を見極めるのが、費用を抑える一番の近道です。
LP制作が向いている人・向いていない人
最後に、そもそもLP単体での制作が向くケース・向かないケースを整理します。
- 1つの商品・サービスを広告流入から1ページで売り切りたい事業者
- 公開後のABテスト・改善まで回せる運用体制がある(または組む予定)
- ターゲットが明確で、訴求軸を1本に絞れる商材
- 複数商品・複数導線を1サイトで網羅したい(→コーポレートサイト型が適切)
- 運用予算を確保できず、作って放置になりそう
- そもそも広告を出さず、SEOで自然流入だけを狙う(→記事型コンテンツが先)
サイト全体の制作費を見たい場合は コーポレートサイト制作の費用相場と発注の組み立て方 が参考になります。
まとめ:相場で測らず、運用設計で測る
「LP 制作 費用」「LP 相場」で調べてきた方への結論を、要点で整理します。
- 相場帯は5レンジ・5〜15万円〜200万円超。用途と運用前提で適正帯が決まる
- 同じLP1本でも価格は10倍差。戦略設計・オリジナル要素・計測改善の3軸で構造化される
- 発注先は4種類。事業フェーズ・月間広告費・LPの位置づけで選ぶ
- 作って終わりは事故。運用予算は制作費の0.5〜2倍が回収の目安
- 成果の本質は単価より設計。ペルソナ絞り込み・FV書き換え・CTAテスト前提
自社でWordPressを使ってLPを公開する場合は、SWELLのような汎用テーマで、コーディング込みの制作費を圧縮できるケースもあります。テーマの向き不向きは WordPressテーマ SWELL の評判 で整理しているので、自前公開を検討する方は参考にしてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. LP(ランディングページ)の制作費用相場は?
A. デザイン+実装で15〜40万円が中央値です。戦略立案+ABテストまで含めれば60〜120万円のレンジまで上がります。発注時は「ワイヤーフレームのみ/デザインのみ/実装込み」の3段階で見積もりを取るのが現実的です。
Q2. 安いLPと高いLPは何が違いますか?
A. 主に3軸で差が出ます。戦略設計の有無・オリジナル要素の比率・公開後の計測改善を前提にするか。とくに「測って改善する」設計があるかどうかで、価格も成果も大きく変わります。
Q3. 個人事業主が1本目のLPを作るなら、どこに頼むべき?
A. 最小構成ならクラウドソーシングやフリーランスで5〜15万円が現実線です。本格的に売り出すなら、オリジナル設計込みの15〜40万円帯を目安にしてください。発注前に既存顧客インタビューと競合LPの収集を済ませると費用が下がります。
Q4. 制作会社とフリーランス、どちらに発注すべき?
A. 案件規模で判断します。10〜30万円のLPはフリーランス、50万円以上で戦略設計を含むならチーム体制を持つ制作会社が現実線です。継続的な運用改善が必要なら、体制の安定した発注先が向いています。
Q5. WordPressで自前公開すれば費用は抑えられますか?
A. 抑えられるケースがあります。SWELLのような汎用テーマを使えば、コーディング込みの制作費を圧縮できる場合があります。ただし設計(ペルソナ・構成・CTA)の質が成果を左右する点は変わりません。
※本記事は、Web制作・LP発注に関する公開情報と現場での所感をもとにした整理です。特定の制作会社・フリーランスの推奨や勧誘ではありません。費用相場・市場動向は時期・地域により変動します。個別案件の発注判断は、複数社からの相見積もり・契約書の確認のうえ、各社の最新情報をご確認のうえご自身で行ってください。

