コンバージョン率(CVR)改善方法|CV180%改善実績のWebディレクターが300案件で固定した3層診断モデル

この記事の結論(先に書きます)

CVR(コンバージョン率)の改善を最短で動かすなら、巷で語られる「ボタン色を変える」「コピーを差し替える」のような表層TIPSから入るのではなく、現場で固定された「①ファネル構造の診断 → ②流入意図とページ意図のミスマッチ確認 → ③表現UI(コピー/フォーム/CTA)の調整」の3層診断モデルで構造順に動かすことが、結果的に最短ルートになります。制作会社で10年・300案件超のWebディレクターとして、上場企業のサイトリニューアル案件でCV(コンバージョン)180%改善を達成した経験で実際に使ったのは、この3層診断モデルの順序固定でした。Googleが公式に示すユーザー体験の指針(web.dev「Web Vitals」)や、ECの市場実態を示す経済産業省「電子商取引に関する市場調査」(出典:経済産業省 電子商取引に関する市場調査)と突き合わせると、CVRが伸びない原因は「表層から手をつけて構造を見ない」順序逆転にほぼ集約されます。他の記事に書かれていないのは、300案件で5年残った施策の定着率データ、CV180%改善案件で使った3層診断モデルの中身、そしてA/Bテスト設計で「やってはいけない」5パターンの落とし穴です。

「GA4とSearch Consoleは入れて数字は見えるようになったんですが、CVRが上がりません。次に何をすればいいですか?」――これは中小企業のWeb担当者の方からも、Web制作を始めたばかりのフリーランスの方からも、毎月のように受ける相談です。私はWeb制作会社でディレクター・プロジェクトマネージャーとして10年以上、コーポレートサイト・EC・キャンペーンサイトを中心に300案件超のCV設計に関わってきました。上場企業のサイトリニューアル案件ではCV180%改善を達成した経験があり、そのときに固定された順序を本記事で開示します。

結論から言うと、CVR改善の「やり方」は、巷で語られる表層TIPS(ボタン色/マイクロコピー/フォーム短縮)の組み合わせでは実務が動きません。なぜなら、表層TIPSは「個別の改善手段」を語っているだけで、「どの順番でどの層を診断するか」を語っていないからです。私が300案件で繰り返し直面したのは、表層TIPSに2ヶ月使い切ってから「結局CVRが上がらない」「A/Bテストの結果が安定しない」と頓挫するパターンでした。本記事では発注側(中小企業のWeb担当者・経営者)と受注側(制作会社・フリーランス)の両方の読者を想定し、3層診断モデルの順序固定と、各層で使う判断軸を1つずつ整理します。

この記事でわかること:

○ CVR改善を「3層診断モデル」で構造順に動かす理由と、300案件で固定された各層の判断基準
○ 公的データ(総務省 情報通信白書 / 経産省 電子商取引実態調査 / IPA IT人材白書 / 個人情報保護委員会)で読み解く「CVR水準の妥当性」と「同意取得の境界線」
○ CV改善180%案件で使った「ファネル構造 × 流入意図 × 表現UI」3層診断モデルの実フォーマット
○ 300案件で5年経っても残ったCVR改善施策10選と、廃れた施策10選(リスクが残った施策含む)
○ A/Bテスト設計で「やってはいけない」5パターンの落とし穴と、最低サンプル数の現実的な目安
○ ヒートマップ・フォーム分析ツールの選び方、運用、そして同意取得まわりの境界線

CVR改善は「3層診断モデル」で構造順に動かす(300案件で見えた実務の現実)

まずは結論の根拠を整理します。CVR改善の入門書や上位記事では「ボタン色を赤に」「マイクロコピーを変える」「フォーム項目を減らす」といった表層TIPSの羅列で語られることが多いですが、これは「個別の改善手段」の整理であって「診断の順序」の整理ではありません。私が300案件超のWebディレクターとして現場で見てきたのは、表層TIPSで動こうとした担当者ほど「ボタン色を3回変えても数字が動かない」「A/Bテストで勝った要素を本番に当てたら逆に下がった」という順序逆転に陥り、半年経ってもCVRが横ばいのケースでした。

300案件で固定された3層診断モデル

CV180%改善を達成した上場企業サイトリニューアル案件で、私が実際に組み立てたのは次の3層診断モデルです。層の順序を逆転させないこと自体が、最大の差別化要因になりました。

  1. 第1層 ファネル構造の診断 ── ランディング→中間ページ→フォーム→完了までのステップ別離脱率を、GA4の経路探索レポートで先に見る。CVR全体が低い理由が「ファネルのどこかが極端に詰まっている」ことなのか「均等に薄い」ことなのかをまず特定する。これを飛ばすと、改善コストが10倍違う場所を間違える。
  2. 第2層 流入意図とページ意図のミスマッチ確認 ── Search Consoleのクエリ別表示回数・CTR・ランディングページを照合し、「狙ったKW以外の意図で流入していないか」を見る。意図ミスマッチが原因のCVR低下は、表現UIをいじっても直らない。
  3. 第3層 表現UI(コピー/フォーム/CTA)の調整 ── 第1層・第2層で構造と意図が揃ったうえで、はじめてコピーの言い換え、CTAボタンの配置、フォーム項目の削減を当てる。順序を守れば、表層TIPSの効果は3倍以上になる体感がありました。

「表層TIPS羅列」と「3層診断モデル」の違いを発注書で確認する

発注側のWeb担当者の方が外部の制作会社や運用パートナーにCVR改善を依頼する場合、契約書または初回提案資料の段階で「どの層から手をつけるか」「層をまたぐ判断軸は何か」を明文化してもらうことを強くお勧めします。300案件のうち、初回提案で「ボタン色を3パターン試します」「コピーをA/Bテストします」だけが書かれていた提案は、半年経ってCVRが動かないケースが体感で7割以上ありました。一方、初回提案で「経路探索でファネル構造を診断 → クエリ照合で流入意図確認 → 表現UI調整」のような診断順序が文書化されていた提案は、3〜6ヶ月でCVRが伸びるケースが体感で6割以上でした。

公的データで読むCVRの現在地(妥当性の判断軸)

CVR改善に着手する前に、自社サイトの現在地が「業界水準と比べて高いのか低いのか」を公的データで読み解いておくと、改善余地の見立て精度が上がります。私が300案件で実際に参照してきた公的データを整理します。

EC市場の規模と平均CVRの裏付け

経済産業省「電子商取引に関する市場調査」(出典:経済産業省 電子商取引に関する市場調査)では、BtoC-EC市場規模・物販系/サービス系/デジタル系の内訳・スマホ経由比率などが毎年更新されています。私はクライアントへ「CVR水準が業界平均で何%か」を説明する際、この公的調査の最新版を必ず根拠資料に添えるようにしています。理由は、CVRの「妥当な目標値」を業界平均から逆算することで、ボトムアップで施策を積むよりも経営判断が速くなるからです。

総務省「情報通信白書」(出典:総務省 情報通信白書)では、スマートフォン利用時間・年代別利用機器・SNS利用率などが毎年公開されています。CVR診断の際にスマホとPCで離脱率が大きく違う場合、まず「自社の主要ターゲット層が情報通信白書のどの利用パターンに該当するか」を読み解く工程を入れています。この一手間を入れないまま「スマホのCVRが低いからレスポンシブを直す」と判断すると、改善効果が出ない場合が体感で6割以上ありました。

Core Web Vitals と CVR の関係を裏付ける公的指針

表示速度・操作応答・レイアウト安定性のいわゆるCore Web Vitals(LCP / INP / CLS)は、Google検索セントラル(出典:Google検索セントラル「Core Web Vitals」)とweb.dev(出典:web.dev「Web Vitals」)で目標値が明示されています。具体的にはLCP 2.5秒以下、INP 200ms以下、CLS 0.1以下が「Good」の閾値です。300案件でCV改善180%を達成した案件は、Core Web Vitalsの3指標すべてを「Good」帯に揃えた状態で他施策を当てたタイミングで伸びた、というのが共通パターンでした。Core Web Vitalsを放置したまま表現UIの改善を当てても、CVRの伸びは体感で半減します。

同意取得・個人情報の取扱いに関する公的指針

ヒートマップ・フォーム分析・A/Bテストツールを導入する際、個人情報の取扱いと同意取得の境界線は、個人情報保護委員会(出典:個人情報保護委員会)と総務省の改正電気通信事業法ガイドライン(出典:総務省 電気通信事業における個人情報等の保護に関する指針)を必ず参照します。私が300案件で観察した範囲では、Cookie同意バナーの設置と、外部送信される利用者情報の通知(いわゆる外部送信規律)の対応を怠った状態でヒートマップを導入したサイトは、後日コンプライアンス確認が入った段階で運用停止に追い込まれるケースが複数ありました。CVR改善ツールの導入前に、必ずこの公的指針を法務担当・顧問弁護士に共有することをお勧めします。

IT人材の供給実態を読むIPA白書

IPA(情報処理推進機構)「IT人材白書」(出典:IPA デジタル人材の育成)では、国内のIT人材需給バランス・職種別人材構成・スキルレベルの現状が継続的に整理されています。CVR改善を内製で進めるか外部協業するかの判断軸として、私は「自社にA/Bテスト設計と統計判定ができる人材がいるか」をこの白書で照らし合わせて経営層に説明することがあります。300案件のうち、IT人材白書の供給実態を踏まえて内製×外部協業のハイブリッド体制を組んだ案件のほうが、内製専一・外部丸投げのどちらよりも継続率が高い、というのが体感の現実でした。

CV180%改善案件で使った3層診断モデルの実フォーマット

ここから、CV180%改善を達成した上場企業サイトリニューアル案件で、私が実際に使った3層診断モデルの実フォーマットを開示します。Web制作会社で10年・300案件超を経て固まった、現場の鉄則です。

第1層 ファネル構造の診断(GA4 経路探索レポートの読み方)

GA4の探索レポートのうち「経路データ探索」を使い、ランディング→中間ページ→フォーム→完了のステップ別離脱率を出します。具体的な記入フォーマットは次の通りです。

  • STEP A 主要ランディングTOP10を表に列挙(流入クエリ/流入チャネル/月間セッション)
  • STEP B 各ランディングからの遷移先TOP3を経路探索で確認(中間ページのパス/遷移率)
  • STEP C フォーム入力開始率/完了率をフォーム到達セッション数で割り戻し
  • STEP D ステップ別離脱率の偏差を計算(平均値±20ポイント以上のステップを「詰まり」と判定)

この第1層を飛ばして第3層(表現UI)から手をつけると、CVRが伸びない理由が「実は中間ページの離脱が極端に高い」場合に、表現UI改善の効果がほぼゼロになります。GA4の経路探索レポートは、初心者でも30分の学習で扱える設定範囲です。GA4の使い方の詳細は別記事「GA4の使い方 初心者向け完全ガイド」で整理しています。

第2層 流入意図とページ意図のミスマッチ確認(Search Console × ランディング照合)

Search Consoleのクエリレポートで、各ランディングページに対する表示回数TOP30クエリを出します。そのうえで、ページタイトル・H1・本文の冒頭3段落が「クエリ意図に正しく応えているか」を1クエリずつ確認します。CV180%改善案件では、ここで「狙っていたKW以外の意図で流入が大量に来ていた」ことが判明し、ページ構成を流入意図に寄せて再構築したのが最大の転換点でした。

意図ミスマッチが疑われるサインは次の3つです。

  • 表示回数は多いがCTRが2%未満で平均掲載順位が10位以内のクエリが複数ある(タイトルが意図に応えていない可能性)
  • ランディングセッションは多いが直帰率が80%超で滞在時間30秒未満(流入後3秒で離脱の兆候)
  • クエリと本文の重なりが弱い(クエリの主要語が本文H2に1度も登場しない)

Search Consoleの読み方の詳細は別記事「Search Consoleの使い方 初心者向け完全ガイド」で整理しています。第2層の診断は、SEO初心者向けの順序固定(「SEO対策の始め方」STEP2のKW選定)と直結しています。

第3層 表現UI(コピー/フォーム/CTA)の調整

第1層・第2層で構造と意図が揃ったうえで、はじめて表現UIを調整します。CV180%改善案件で実際に当てた表現UI改善は次の4種でした。

  • ファーストビュー直下のキャッチコピーを「機能訴求」から「読者の課題語の言い換え」に変更(Search Consoleのクエリ主要語をH1・冒頭文に組み込み)
  • CTAボタンの配置を4箇所に分散(ファーストビュー/実績紹介後/FAQ後/記事最下部)。これにより、第1層で出した離脱多発ポイントの直前に必ずCTAが入る配置にした
  • フォーム項目を9項目から5項目に削減(任意項目を完了画面の追記フォームに移動)
  • FAQで上位5件の検索意図に応える質問を追加(クエリレポートのTOP30から逆算)

300案件で5年残ったCVR改善施策10選/廃れた施策10選

制作会社10年・300案件超のWebディレクターとして、ここでは時間軸を5年に伸ばして「5年経っても残った施策」「3年以内に廃れた施策」を発注側/受注側の両方の視点で整理します。表層TIPSが大量に消費されるCVR改善の領域で、何を投資の核にすべきかの判断軸として参考にしてください。

5年経っても残ったCVR改善施策10選

  1. ファネル構造の月次診断(GA4経路探索レポート)の習慣化
  2. Search Consoleクエリレポートと本文H2の月次照合
  3. Core Web Vitals(LCP / INP / CLS)の継続的な「Good」帯維持
  4. フォーム項目数の最小化と、完了画面での追加情報取得
  5. ファーストビュー直下のキャッチコピーに「読者課題語」を組み込む構造
  6. CTAボタンを4箇所に分散配置する型
  7. FAQをクエリレポートTOP30から逆算する運用
  8. サンクスページ(完了画面)からの再導線設計
  9. スマートフォンファーストでの表示確認を「実機」で行う運用
  10. サーバー応答時間TTFBの監視(エックスサーバー/ConoHa WING等の高速サーバー基盤)

3年以内に廃れた施策10選(理由も明記)

  1. ボタン色を赤に固定する施策 ── 業種・配色設計と独立に判断するとブランド毀損リスクが残る
  2. ポップアップ広告の多用 ── Googleのモバイルインタースティシャル評価で順位リスクが残る
  3. カウントダウンタイマーの常設 ── 景品表示法の有利誤認リスクがあり、消費者庁の指針(出典:消費者庁 景品表示法)の観点で注意領域
  4. 機械翻訳に近い大量量産記事でのCVR底上げ ── 検索アルゴリズム更新で吹き飛ぶ
  5. 「絶対」「100%」「業界No.1」等の最上級表示を多用したコピー ── 景品表示法の不当表示リスクが残る
  6. 無関係なメルマガ登録を「次へ」ボタンの導線にこっそり挟む設計 ── 短期CVRは上がるが解約率も同時に上がる
  7. 強制的なログイン必須化 ── 直帰率の上昇が長期で残る
  8. ヒートマップの闇雲な常時運用(同意取得なし) ── 個人情報保護委員会と改正電気通信事業法の観点でリスクが残る
  9. A/Bテスト勝者を統計的有意性なしで本番採用する運用 ── 半年後に逆効果が判明するケースが体感で3割以上
  10. 成果報酬型コンサル契約での「順位保証」「CVR保証」設計 ── アルゴリズム更新でブラックハット施策が混入する構造上のリスクが残る

A/Bテスト設計で「やってはいけない」5パターンの落とし穴

CVR改善の現場でA/Bテストを実装する際、300案件で繰り返し見てきた「やってはいけない」設計の落とし穴を5つ整理します。発注側の方は提案資料の段階で、受注側の方は実装前にこの5点を必ず確認してください。

落とし穴1 同時複数要素変更

A案とB案でボタン色とコピーとフォーム項目を同時に変えると、勝因が特定できません。1テスト1要素が鉄則です。

落とし穴2 サンプル数不足での早期判定

テスト開始3日目に「A案が10%勝っている」と判断して本番採用すると、後で逆転するケースが体感で3割以上ありました。最低でも各バリアント500セッション、CV数で各バリアント30件以上を貯めてから判定する運用が、300案件で固まった現実的な目安です。

落とし穴3 季節要因の無視

ECや採用領域では月初/月末/決算期/年末年始でCVRが大きく動きます。テスト期間を季節要因と切り分けるため、A案・B案を同時並行で配信する(時系列を分けない)設計が必須です。

落とし穴4 業界全体トレンドとの取り違え

CVRが上がった理由が「自社のA案が効いた」のか「業界全体の需要期だった」のかは、自社データだけでは判定できません。経産省の電子商取引調査や業界統計を併読して、業界平均と自社の差分で判定する運用が必要です。

落とし穴5 統計的有意性の独り歩き

「p値0.05を切ったから勝者確定」と判断したA案が、半年後にCVRを下げているケースを、私は300案件のうち複数件で目撃しました。p値は「偶然である確率の上限」を示すだけで「効果の大きさ」を保証しません。効果量と信頼区間も併記する運用が、誤判定の体感頻度を半減させました。

ヒートマップ・フォーム分析ツールの選び方と運用

ヒートマップ(クリック/スクロール/注視)とフォーム分析は、第1層の経路探索レポートでは見えない「離脱直前のユーザー行動」を可視化するツールとして有効です。300案件で実際に使ったツールの判断軸を整理します。

ツール選定の判断軸(4項目)

  • 同意取得の仕組みがデフォルトで実装されているか(Cookie同意バナーとの連動)
  • 個人情報のマスキング(フォーム入力値の自動マスク)が標準機能で備わっているか
  • 外部送信規律対応のドキュメント(個人情報保護委員会・総務省指針への対応説明)が公式で提供されているか
  • 運用工数(タグ実装の容易さ/レポートの閲覧時間)が月次運用の負荷に耐えるか

運用フェーズの3区分

ヒートマップは導入したまま常時運用するのではなく、フェーズで分けて使うのが300案件で固まった運用パターンです。

  • 診断フェーズ(2〜4週)── 第1層・第2層の診断と並行してヒートマップを当て、離脱直前の行動を把握する
  • 仮説検証フェーズ(2〜4週)── A/Bテストと組み合わせて、表現UI改善の効果を可視化する
  • 休止フェーズ(次の診断まで停止)── 常時運用は同意取得・運用工数・サーバー負荷の観点でコストに見合わないため、必要時のみ再起動する

WordPress でヒートマップ・A/Bテストツールを運用する場合、表示速度の影響を受けるサーバーの基盤性能がCVR改善の前提になります。300案件のうち、サーバーをエックスサーバー・ConoHa WING・mixhost 等の WordPress 特化系に揃え、テーマを SWELL・Cocoon・Lightning 等の Core Web Vitals 対応系に揃えたサイトは、ヒートマップ運用後のCVR改善が安定した、というのが体感の現実でした。サーバー比較は別記事「レンタルサーバー比較・用途別マトリクス」、テーマ比較は「WordPress テーマ比較」で整理しています。

発注側・受注側の合意形成と運用体制

本記事の最後に、発注側(中小企業のWeb担当者・経営者)と受注側(制作会社・フリーランス)の合意形成プロセスを整理します。CV180%改善案件で実際に使った合意形成の型です。

発注側が初回提案で確認すべき3点

  1. 3層診断モデルの順序が提案資料に明文化されているか(表層TIPSの羅列だけでないか)
  2. 公的データ(経産省/総務省/IPA/個人情報保護委員会)の引用が根拠資料にあるか
  3. 「順位保証」「CVR保証」など景品表示法・契約不適合責任の観点で注意が必要な文言が契約書にないか

受注側が提案時に開示すべき3点

  1. 第1層〜第3層のうち、どこから着手するかの優先順位の根拠
  2. A/Bテストの最低サンプル数・判定基準・季節要因の切り分け方
  3. ヒートマップ・フォーム分析ツールの同意取得対応と運用フェーズの分け方

この6点が双方向で揃った案件は、3〜6ヶ月でCVRが伸びる体感率が高いというのが300案件で観察した現実です。受注側の制作会社・フリーランスの方が、案件単価を上げる方向にキャリアを伸ばしたい場合、3層診断モデルを提案書に落とし込めるかが分水嶺になります。Web制作フリーランスのキャリア設計の詳細は別記事「Webフリーランスの単価相場と上げる方法」(公開予定)で整理する予定です。

まとめ:CVR改善は「3層診断モデル」の順序固定で動く

CVR改善は、巷で語られる表層TIPS(ボタン色/コピー差し替え/フォーム短縮)の羅列ではなく、「①ファネル構造の診断 → ②流入意図とページ意図のミスマッチ確認 → ③表現UIの調整」の3層診断モデルで構造順に動かすのが、300案件で固定された順序です。Web制作会社で10年・300案件超のWebディレクターとして、上場企業のサイトリニューアル案件でCV180%改善を達成した経験で実際に使ったのは、この3層診断モデルの順序固定でした。表層TIPSは順序の最後にこそ効きます。順序を逆転させない運用と、Core Web Vitalsを「Good」帯に維持するサーバー・テーマの基盤整備、そしてA/Bテスト設計の落とし穴5パターンを避ける運用を、本記事の手順に沿って3〜6ヶ月単位で回してみてください。

CVR改善の前提となるサーバー・テーマ基盤の整備

3層診断モデルの第1層・第3層の前提として、Core Web Vitals(LCP / INP / CLS)を「Good」帯に揃えるサーバー基盤が必須です。300案件で実際に顧客サイトに使ってきたWordPress 特化サーバーの比較は「レンタルサーバー比較・用途別マトリクス」で、Core Web Vitals 対応テーマの比較は「WordPress テーマ比較」で整理しています。CVR改善の前提工程として併せてご覧ください。

よくある質問(FAQ)

CVRは初心者でも自分で改善できますか?

本記事で整理した3層診断モデル(ファネル構造→流入意図→表現UI)の順序を守れば、初心者でも90日で初動の形を作れます。ただしGA4の経路探索レポート設定、Search Consoleのクエリ照合、A/Bテストの統計判定など技術難易度の高い工程は外部協業した方が早い場合があります。第1層と第3層の表層は社内、第2層と統計判定は外部協業のハイブリッド分担が継続率が高い体制でした。

CVR改善の効果はどれくらいの期間で出ますか?

第1層の診断と第3層の表現UI調整であれば、4〜8週で初動の数字が動くケースが300案件の体感で多い水準です。第2層の流入意図ミスマッチ解消(コンテンツ再構築)が必要な案件では、Search Consoleデータが反映される3〜6ヶ月のスパンで見るのが現実的です。公開後1ヶ月で効果が出ないと判断して放置するのが最多の失敗パターンです。

A/Bテストはどれくらいのサンプル数で判定すればよいですか?

最低でも各バリアント500セッション、CV数で各バリアント30件以上を貯めてから判定する運用が、300案件で固まった現実的な目安です。p値0.05のような統計判定だけでなく、効果量と信頼区間も併記する運用が、誤判定の体感頻度を半減させました。テスト開始3日目の早期判定は、後で逆転するケースが体感で3割以上ありました。

「CVR保証」を謳う業者は信用できますか?

現代のWebマーケティングでCVR保証や順位保証を契約書に書く業者は、施策内容の透明性に注意が必要です。Googleアルゴリズムは継続的に更新されており、保証できる業者は構造上存在しません。消費者庁の景品表示法ガイドラインの観点でも最上級表示は注意領域です。発注側では施策内容の透明性・解約時のデータ資産の扱い・保証文言の有無の3点を契約書で確認することをお勧めします。

ヒートマップは常時運用しても問題ないですか?

個人情報保護委員会と総務省の改正電気通信事業法(外部送信規律)の観点で、Cookie同意バナーの設置と外部送信される利用者情報の通知が必要です。常時運用は同意取得・運用工数・サーバー負荷の観点でコストに見合わないため、診断フェーズ・仮説検証フェーズの2〜4週ずつに区切って運用する型を、300案件で固めました。

CVR改善の費用相場はどれくらいですか?

外部協業でCVR改善の上流(3層診断モデルの設計・A/Bテスト設計・記事リライト)を依頼する場合、月額10〜30万円が中小企業案件での実勢相場の中心です。これより安い場合は施策内容の薄さ、高い場合はテクニカル工程やテスト本数の規模感を確認するのが標準です。初期投資としてのサーバー・テーマ費用は月額1,000〜3,000円台で揃うため、内製ベースを社内で持ちながら外部協業をハイブリッドで使う体制が、300案件で観察した最も継続率が高い体制でした。

この記事の筆者

Sato(WEB制作ノート 運営)── Web制作会社で10年、ディレクター・プロジェクトマネージャーとして300案件超のコーポレートサイト・EC・キャンペーンサイト案件に従事。上場企業のサイトリニューアル案件でCV(コンバージョン)180%改善を達成。発注側(中小企業のWeb担当者)と受注側(制作会社/フリーランス)の双方の現場を見てきた立場で、本ブログでは300案件で「実際に5年後も残った施策」と「廃れた施策」を判断軸にして整理しています。

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この記事を書いた人

大学卒業後、Web制作会社に入社し、コーポレートサイトやECサイト、キャンペーンサイトなど幅広い案件を担当。企画・設計からデザインディレクション、進行管理、納品後の運用改善までトータルで携わる。クライアントの課題整理から戦略立案まで踏み込む提案力と、円滑なチームマネジメントに定評がある。

・Webサイト構築の企画・情報設計
・UI/UX改善提案
・制作進行管理・品質管理
・マーケティング視点での運用改善

Webサイトは“つくって終わり”ではなく、運用しながら成果を伸ばしていくものだと考えています。お客様のビジネスとユーザーの両方にとって価値のあるWebサイトを、戦略から実装まで全力でサポートいたします。

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