Webマーケティングとは?仕事内容・職種・未経験からの転職を現役ディレクターが解説

この記事でわかること

  • Webマーケティングとは何かを、「集客→接客→追客」の3フェーズでシンプルに整理
  • 多くの記事が羅列で終わる職種を6つの職種マップ(SEO・広告運用・SNS・コンテンツ・CRM・解析)として俯瞰
  • 各職種の仕事内容・年収目安・未経験の入りやすさを一枚の表で比較
  • 未経験からの転職・副業の始め方・資格の本当の使いどころ・向いている人の判断軸
  • Web制作の現場で見えてくる「制作とマーケの境界」とキャリアの広げ方

公的情報源: 総務省「情報通信白書」(参照)/経済産業省「IT人材需給に関する調査」(参照

「自分はどの職種から入るべきか」を先に知りたい方は、後半の職種マップ比較表と「向いている人」から読むと、現状の整理が早く進みます。

結論を先に書きます

Webマーケティングとは、Web上で「集客し、行動してもらい、また来てもらう」までを設計し、数字で改善していく仕事です。広告やSNS、SEOといった手法は、すべてこの流れのどこかを担う部品にすぎません。

未経験からでも入れます。重要なのは「全部を一度に覚える」ことではなく、6つの職種のどこから入るかを決めること。職種ごとに、必要なスキルも未経験の入りやすさも大きく違います。

この記事の要点
  • 仕事の本質は集客・接客・追客の3フェーズを数字で回すこと。手法はその部品
  • 職種は大きくSEO・広告運用・SNS・コンテンツ・CRM・アクセス解析の6つ。入口の難易度が違う
  • 未経験は広告運用・SNS運用・コンテンツから入りやすい。年収目安は未経験300〜400万円
  • 資格は必須ではなく学習の地図。実績(運用数値・ポートフォリオ)が最優先

この記事は、Web制作の現場で広告運用やCV改善に関わってきた視点から、Webマーケティングの全体像を「職種の地図」として整理します。これから学ぶ方・未経験から転職や副業を考えている方に向けた実践ガイドです。

目次

Webマーケティングとは何かを一言で整理する

最初に結論です。Webマーケティングとは、Webサイトやアプリへの集客から、購入・問い合わせ・登録といった成果(コンバージョン)までの流れを設計し、データで改善し続ける仕事です。

「広告を出す人」「SNSを運用する人」というイメージが先行しがちですが、それは一部です。全体は次の3フェーズで動いています。

Webマーケティングの3フェーズ

フェーズ役割代表的な手法
集客知ってもらう・サイトに来てもらうSEO・Web広告・SNS
接客来た人に行動してもらうLP改善・UI/UX・導線設計
追客もう一度来てもらう・買ってもらうメール・LINE・CRM

多くの解説記事は「集客」の手法ばかりを並べます。しかし実務では、来た人を成果につなげる「接客(サイト内の改善)」と「追客(再訪・継続)」が、売上の伸びを左右します。集客だけを増やしても、受け皿が弱ければ数字は伸びません。

マーケティングとの違い・デジタルマーケティングとの違い

「マーケティング」は、誰に何をどう届けて買ってもらうかという活動全体を指します。そのうちWebという場で行う部分がWebマーケティングです。

似た言葉に「デジタルマーケティング」があります。こちらはWebに加えて、アプリ・デジタルサイネージ・電子マネーのデータなど、デジタル全般を含む広い概念です。実務上はほぼ重ねて使われますが、求人で「Webマーケティング」とあれば、サイト・広告・SNSが中心と考えて差し支えありません。

総務省の情報通信白書でも、個人のインターネット利用率は8割を超える水準が続いており、生活者との接点はWebが主戦場になっています。発注が止まらない領域である理由は、ここにあります。

Webマーケティングの仕事内容を6つの職種で俯瞰する

ここが、この記事の核心です。Webマーケティングは一つの仕事ではなく、専門の違う複数の職種の集まりです。代表的なのは次の6つです。

  1. SEO(検索エンジン最適化)
  2. Web広告運用
  3. SNSマーケティング
  4. コンテンツマーケティング
  5. CRM・メールマーケティング
  6. アクセス解析(Webアナリスト)

それぞれの仕事内容・年収目安・未経験の入りやすさを、まず一枚の表で俯瞰します。求人でよく見る中間値を、目安として整理しました。

6職種の仕事内容・年収・未経験の入りやすさ

職種主な仕事内容年収目安未経験の入りやすさ
SEO検索流入を増やす設計・記事・内部対策350〜600万円やや入りやすい
Web広告運用リスティング・SNS広告の出稿・改善350〜650万円入りやすい
SNSマーケ投稿企画・運用・エンゲージメント改善320〜550万円入りやすい
コンテンツ記事・動画の企画と編集・制作進行330〜550万円入りやすい
CRM・メール既存顧客への配信設計・LTV改善400〜650万円やや難しい
アクセス解析データ分析・改善仮説・レポート400〜700万円やや難しい

表の右端「未経験の入りやすさ」が、進路選びでは年収より重要です。広告運用・SNS・コンテンツは成果が数字で見えやすく、未経験募集が比較的多い職種。一方、解析やCRMは前提知識が要るため、まず入りやすい職種で実績を作ってから移る人が多いです。

SEOとWeb広告運用(集客の二本柱)

SEOは、検索結果で上位に出すための設計・記事制作・サイトの内部改善を担います。成果が出るまで時間はかかりますが、当たれば広告費ゼロで流入が積み上がる、ストック型の集客です。考え方の基礎はSEOとは何かで整理しています。

Web広告運用は、リスティング広告やSNS広告を出稿し、費用対効果(CPA・ROAS)を見ながら改善します。予算を入れた瞬間から数字が動くため、成果の因果が見えやすく、未経験が成長を実感しやすい職種です。日々の数字管理が苦でない人に向きます。

SNS・コンテンツ(ファンと信頼を育てる)

SNSマーケティングは、投稿の企画・運用を通じて認知とエンゲージメントを高めます。プラットフォームの流行が早く、変化を楽しめる人に向く領域です。

コンテンツマーケティングは、記事や動画で見込み客の課題を解決し、信頼を積み上げます。文章や編集の経験が活きやすく、Webライターや編集職からの転向も多い入口です。

CRM・アクセス解析(数字で深掘りする)

CRM・メールマーケティングは、すでに接点のある顧客へ配信を設計し、再購入や継続(LTV)を伸ばします。顧客データを扱うため、やや前提知識が要ります。

アクセス解析(Webアナリスト)は、流入・離脱・回遊のデータを読み、改善の仮説を立てる役割です。GA4などのツールを使いこなす力が問われ、数字に強い人が活きます。具体的な分析の入口はSEO対策のやり方もあわせて参考になります。

未経験からWebマーケティングに転職する道筋

結論から言うと、未経験からの転職は十分に現実的です。理由は、成果が数字で示せる領域なので、ポートフォリオや小さな実績で実力を伝えやすいからです。

経済産業省の調査では、2030年に向けてIT人材が大きく不足する見込みとされ、デジタル人材の需要は当面続くと見られます。問題は「枠があるか」ではなく「どう入口を作るか」です。

  1. 入りやすい職種を1つ決める(広告運用・SNS・コンテンツのいずれか)
  2. 自分のSNSや小さな実案件で「数字を動かした実績」を作る
  3. その実績をポートフォリオにまとめ、未経験歓迎求人に応募する

未経験採用は、中小企業やベンチャー、Web制作会社の求人に多く見られます。最初から大手の専門特化ポジションを狙うより、複数業務を任される環境で全体像を掴むほうが、結果的に早く伸びます。

自分のメディアで「実績」を作るのが最短

採用側が見たいのは、資格よりも「自分で数字を動かした経験があるか」です。これは未経験でも自分で作れます。

たとえば、自分のSNSアカウントのフォロワーを伸ばした、ブログの検索流入を増やした、知人の店舗のチラシをLPにして問い合わせを取った。小さくても「施策→数値変化」を語れる事例が1つあるだけで、書類選考の通過率は大きく変わります。架空の課題でも構いません。手を動かした証拠を残すことが、最短ルートです。

Webマーケティングを副業から始める方法

転職せずに、まず副業から関わる入り方もあります。Webマーケティングは成果物がデータで残るため、副業との相性が良い領域です。

副業で受けやすい案件と単価の目安

案件タイプ内容単価目安
SNS運用代行投稿企画・運用・分析月3〜10万円
記事・コンテンツ制作SEO記事の執筆・編集1本5,000〜30,000円
広告運用サポート出稿・レポート補助月3〜15万円
サイト改善・解析計測設定・改善提案案件3〜10万円

副業の入口として現実的なのは、SNS運用代行と記事制作です。初期費用がほぼ不要で、自分の実績がそのまま提案材料になります。クラウドソーシングで小さく実績を貯め、継続案件や直請けに移していく流れは、Web制作の副業と同じ構造です。

副業の進め方の全体像は、Web制作 副業の始め方が、案件獲得から単価設計まで横展開で参考になります。

副業から本業・独立への広げ方

副業で月5〜10万円の実績が安定したら、選択肢が広がります。本業への転職時に「副業で運用していました」と言えるのは強い武器ですし、案件を増やしてフリーランスとして独立する道もあります。

ただし最初から独立を急ぐ必要はありません。会社で運用予算の大きい案件を経験するほうが、スキルの伸びは速い。副業は「実績作りと適性確認の場」と位置づけ、焦らず広げるのが現実的です。

Webマーケティングに資格は必要か

先に結論です。Webマーケティングに必須の資格はありません。採用や案件獲得で最優先されるのは、運用数値やポートフォリオといった実績です。

ただし資格が無意味というわけではありません。資格は「何を学べばいいか分からない未経験者にとっての学習の地図」として機能します。体系立てて知識を整理したい段階では有効です。

代表的な資格とその位置づけ

資格主な領域位置づけ
ウェブ解析士解析・全体設計体系を学ぶ入門に向く
Google アナリティクス認定資格(GAIQ系)アクセス解析GA4の基礎理解の証明
Google 広告認定資格広告運用広告職を目指すなら有効
マーケティング・ビジネス実務検定マーケ全般基礎知識の網羅

おすすめの順序は、まず実務(自分のメディアや小さな案件)を動かし、その横で資格を学んで知識の穴を埋めること。資格を取ってから実務に入ろうとすると、座学だけで時間が過ぎがちです。手を動かしながら学ぶのが、この分野では効率的です。

Webマーケティングに向いている人・向いていない人

これまでの整理をもとに、適性を分けます。スキルは後から身につきますが、思考のクセは仕事の続けやすさに直結します。

向いている人
  • 数字を見るのが苦でない人:日々の数値の変化を追い、改善に結びつけられる
  • 変化を楽しめる人:手法やプラットフォームの流行が早く、学び続ける姿勢が活きる
  • 仮説と検証が好きな人:「こうすれば伸びるのでは」を試し、結果を受け止められる
  • 地道な作業を続けられる人:成果が出るまで改善を積み重ねられる

慎重に検討したい人
  • すぐに成果を求めすぎる人:SEOなど成果まで時間がかかる施策で消耗しやすい
  • 数字の管理を避けたい人:感覚だけで進めると改善の根拠を作れない
  • 同じやり方を続けたい人:トレンド変化への対応が常に求められる

「向いていない」に当てはまっても、職種選びで補える部分は多いです。数字より企画が好きならコンテンツ寄り、改善の試行錯誤が好きなら広告運用寄り、というように適性に合う入口を選べば続けやすくなります。

Web制作からWebマーケティングへ広げるキャリア

ここは、Web制作に関わる読者に特に伝えたい視点です。制作とマーケは地続きで、制作の経験はマーケで強い武器になります。

サイトを作る側は、構造・導線・表示速度・LPの構成といった「成果が出る作りの理由」を体で知っています。これは、来た人を成果につなげる「接客フェーズ」そのものの知見です。作って終わりにせず「数字を上げる責任」まで引き受けると、制作者はそのままマーケ人材になれます

実際、制作会社では「作るだけでなく運用・改善まで提案できる人」の価値が上がっています。デザイナーやコーダー、ディレクターが、解析や広告運用に半歩踏み込むだけで、任される範囲と単価が変わります。

制作者がマーケに踏み出す最初の一歩

いきなり職種を変える必要はありません。今の制作業務に、次の一歩を足すところから始められます。

  1. 納品したサイトに計測(GA4・サーチコンソール)を入れ、数字を見る習慣をつける
  2. 公開後の改善提案を1つ添える(CV導線・タイトル・表示速度など)
  3. SEOか広告の基礎を学び、制作とセットで運用まで提案する

ディレクション業務との相性は特に良く、進行管理に「成果の責任」が加わるだけで、マーケ寄りの仕事に移っていけます。キャリアの方向性はWebディレクターの仕事内容も、制作からマーケへの橋渡しとして参考になります。

体系的に学び直したい場合は、プログラミング・Webスクール比較ランキングで、マーケや運用まで学べる講座を整理しています。

よくある質問

Q1. Webマーケティングとは、結局どんな仕事ですか?

Web上の集客から成果までを設計し、数字で改善する仕事です。サイトやアプリに人を集め(集客)、来た人に行動してもらい(接客)、また来てもらう(追客)。この3フェーズをデータで回します。広告やSNS、SEOは、この流れのどこかを担う手法の一つです。

Q2. 未経験からWebマーケティングに転職できますか?

できます。成果が数字で示せる領域なので、ポートフォリオや小さな実績で実力を伝えやすいのが理由です。広告運用・SNS運用・コンテンツ制作が比較的入りやすく、未経験募集は中小企業・ベンチャー・Web制作会社に多く見られます。自分のSNSやブログで「数字を動かした事例」を1つ作ると、選考が有利になります。

Q3. Webマーケティングの年収はどのくらいですか?

未経験の入口で300〜400万円、経験を積むと600万円以上が目安です。職種によって幅があり、アクセス解析やCRMは前提知識が要る分、年収レンジが高めに出やすい傾向です。求人統計では経験者の平均が600万円台という調査もあります。フリーランスは案件次第で、それ以上を狙う人もいます。

Q4. Webマーケティングは副業でもできますか?

できます。成果物がデータで残るため副業との相性が良い領域です。SNS運用代行(月3〜10万円)や記事制作(1本5,000〜30,000円)が入りやすい案件です。初期費用がほぼ不要で、自分の実績がそのまま提案材料になります。クラウドソーシングで小さく実績を貯め、継続案件に移すのが現実的な進め方です。

Q5. Webマーケティングに資格は必要ですか?

必須ではありません。採用や案件で最優先されるのは実績(運用数値・ポートフォリオ)です。ただし、ウェブ解析士やGoogle広告認定資格などは「何を学べばいいか分からない未経験者の学習の地図」として有効です。実務を動かしながら、その横で資格を学んで知識の穴を埋める順序が効率的です。

Q6. Web制作の経験はWebマーケティングで活きますか?

強く活きます。サイトの構造・導線・LP構成・表示速度といった「成果が出る作りの理由」を体で知っているからです。これは来た人を成果につなげる接客フェーズの知見そのもの。作って終わりにせず「数字を上げる責任」まで引き受けると、制作者はそのままマーケ人材になれます。計測を入れて改善提案を1つ添えるところから始められます。

まとめ:Webマーケティングは「職種の地図」で捉える

最後に、この記事の要点を整理します。

この記事のまとめ
  • Webマーケティングとは集客・接客・追客の3フェーズを数字で回す仕事。手法はその部品
  • 職種はSEO・広告運用・SNS・コンテンツ・CRM・解析の6つ。入口の難易度が違う
  • 未経験は広告運用・SNS・コンテンツから入りやすく、年収目安は入口で300〜400万円
  • 副業はSNS運用代行・記事制作が入りやすい。資格は必須でなく学習の地図
  • Web制作の経験は接客フェーズの知見として活き、運用・改善まで担うとマーケ人材になれる

Webマーケティングは、漠然と「全部」を覚えようとすると迷子になります。職種の地図を広げ、自分が入る一点を決める。そこから数字を動かす小さな実績を積めば、未経験でも副業でも道は開けます。この記事が、その最初の一点を決める助けになれば嬉しいです。

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この記事を書いた人

大学卒業後、Web制作会社に入社し、コーポレートサイトやECサイト、キャンペーンサイトなど幅広い案件を担当。企画・設計からデザインディレクション、進行管理、納品後の運用改善までトータルで携わる。クライアントの課題整理から戦略立案まで踏み込む提案力と、円滑なチームマネジメントに定評がある。

・Webサイト構築の企画・情報設計
・UI/UX改善提案
・制作進行管理・品質管理
・マーケティング視点での運用改善

Webサイトは“つくって終わり”ではなく、運用しながら成果を伸ばしていくものだと考えています。お客様のビジネスとユーザーの両方にとって価値のあるWebサイトを、戦略から実装まで全力でサポートいたします。

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