Webサイトは、家を建てるのと同じように、まず骨組みをしっかりと作ることが大切です。その骨組みとなるのがHTMLの基本構造です。この記事では、HTMLファイルが必ず持っている4つの主要な要素について、その役割と重要性を詳しく解説します。
1. <!DOCTYPE html>
これはHTMLの「お約束」です。タグではありませんが、すべてのHTML文書の一番最初に書かなければなりません。
- 役割: ブラウザに対し、この文書がHTML5という最新のバージョンで書かれていることを宣言します。
- なぜ必要?: この宣言がないと、ブラウザはどのバージョンのHTMLで書かれた文書なのかを判断できず、古いブラウザ向けの互換モードで表示してしまう可能性があります。その結果、意図しない表示崩れが起きることも。Webサイトを正しく、安定して表示させるために不可欠な宣言です。
2. <html>
タグ
<!DOCTYPE html>
宣言の次に位置する、HTML文書全体の「根元」となる要素です。
- 役割: HTML文書のすべてのコンテンツをこのタグの中に記述します。
<html>
タグは、<body>
と<head>
の両方を子要素として持ちます。 - 重要な属性:
lang
属性- 例:
<html lang="ja">
- この属性は、文書の主要な言語を指定します。例えば「
ja
」は日本語を意味します。これにより、検索エンジンやスクリーンリーダー(音声読み上げソフト)がコンテンツの言語を正しく認識し、適切な処理を行うことができます。
- 例:
3. <head>
タグ
Webページの「頭」に当たる部分で、ユーザーの目には見えない情報を記述します。
- 役割: ページのタイトル、文字コード、外部ファイル(CSSやJavaScript)の読み込み、検索エンジン向けのメタ情報など、文書に関するメタ情報を定義します。
- なぜ重要?:
title
タグ:<head>
内に記述するtitle
タグは、ブラウザのタブや検索結果に表示されるページのタイトルを定義します。これはSEO(検索エンジン最適化)において非常に重要な要素です。meta
タグ:<meta charset="UTF-8">
という記述で、文字化けを防ぐために文字コードを指定します。また、検索エンジンのクローラーにページの内容を伝えるためのキーワードや概要を定義する際にも使われます。- スタイルとスクリプト:
<link>
タグを使ってCSSファイルを、<script>
タグを使ってJavaScriptファイルを読み込みます。これにより、Webページのデザインや動きを制御できます。
4. <body>
タグ
Webページの「胴体」に当たる部分で、実際にユーザーの目に触れるコンテンツを記述します。
- 役割: 見出し(
<h1>
〜<h6>
)、段落(<p>
)、画像(<img>
)、リンク(<a>
)、リスト(<ul>
、<ol>
)など、Webページを構成するすべての要素がこのタグの中に配置されます。 - なぜ重要?: このタグの中に記述された内容が、ブラウザによってレンダリング(描画)され、私たちが普段見ているWebサイトの見た目となります。Webサイトのコンテンツそのものなので、HTMLの記述はほとんどこの
<body>
タグ内で行われます。
まとめ
HTMLの基本構造は、Webサイトの土台となる非常に重要な要素です。
タグ名 | 役割 |
---|---|
<!DOCTYPE html> | HTML5であることを宣言する |
<html> | 文書全体のルート要素 |
<head> | ブラウザに表示されないメタ情報を記述 |
<body> | 実際に表示されるコンテンツを記述 |
これらのタグを正しく理解し、記述することで、Webサイトは安定して機能し、検索エンジンにも正しく認識されるようになります。まずはこの4つの要素をマスターして、Web制作の第一歩を踏み出しましょう。